「支出が伴わない減価償却による節税が不動産投資のメリットです。」

≪回答≫

⇒『△』

≪解説≫

運営中はメリットがありますが、売却時に譲渡益があれば譲渡所得に所得税・住民税が課税されます。
つまり、運営中は減価償却により税額が下がりますが、売却時は減価償却により税額が上がります。

《新築分譲1Kマンション:
購入価格2000万円・減価償却費(10年間)500万円・10年後の売却価格2000万円とした場合》
※減価償却による節税にスポットを当てる為に計算等について簡略化しています。

(譲渡価格)2000万円-((取得費)2000万円ー(減価償却費)500万円)=(課税譲渡所得)500万円
500万円×20%(所得税15%・住民税5%)=100万(譲渡所得による所得税・住民税)

所得税・住民税の合計税率が20%の方は、運営中は所得税・住民税の10年間の節税額が100万円になります。
しかし、売却時に100万円を納税して恩恵は無しとなります。

所得税・住民税の合計税率が
30%⇒50万円(10%)、33%⇒65万円(13%)、43%⇒115万円(23%)
の節税になります。
10年間というスパンでリスクテイクの結果であるリターン金額として如何でしょうか。
税率43%の方でも115万円、1ヶ月 約9,600円の計算になります。
節税だけにスポットを当てると、『リスク>リターン』と言えるでしょう。
正確には『リスク>>>>>リターン』でしょうか。
私ならばリスクのない、千万単位の借金をしなくて良い副業(アルバイト)をします。

因みに短期譲渡所得による所得税・住民税の合計税率は約39%です。
購入から約5年以内での売却は、大半の方は減価償却による節税分以上に納税する結果になるでしょう。

ここで「税率が高ければ節税メリットがある。」と考えられた方は要注意です。
金額もさることながら、・・・

よくあるダマしとして
1.1年目の節税メリットのみ説明
2.数年間の節税メリットのみ説明
3.運営期間中の節税メリットのみ説明
4.売却時の譲渡所得の税金まで説明

節税を前面に出してくる営業マンからの説明は3には触れずに1と2が約99%ではないでしょうか。

因みに、4については不動産売買に携わっている営業マンであれば必須の知識になります。
「短期譲渡所得と長期譲渡所得は何が違うのですか。」と営業マンに質問して答えられなかったり、間違った回答であれば、その営業マンを疑ってかかるべきです。

そして本丸の5が存在します。
それは、購入価格2000万円の新築分譲1Kマンションが10年後に2000万円で売れたという設定にあります。
一般的に建物が古くなれば、それに伴い物件価格は下がります。
ここに触れずに「節税」うんぬんは問題外となります。

例えば、減価償却費と同じ額が下がったとして1500万円。
売却時に課税はされませんが500万円の損失(※)が出ています。
運営中の節税額を考えてもマイナスになります。
このケースでは運営中のキャッシュフローを含めて成否の判定になります。
(※)損失というネガティブなものではなく、賃貸事業に使用した消耗品のような認識が妥当となります。

減価償却による節税から脱線してきましたので、今回の解説はココまでとします。

事実を隠すのは嘘を言っているのと寸分の違いなく同じです。

出口(売却)までが不動産投資になります。

単年だけでの判断は失敗の確率を非常に高めます。
不動産投資を始める前に中立な立場の本を数冊は必ず読んでください。

それだけで目の前の営業マンは信用に値するのか、が判断できます。
営業マンに知識があるのは重要ですが、それよりも『嘘を言わない』『事実を隠さない』ことの方が重要度ランクは上になります。

最後まで、お読みいただき誠にありがとうございました。
感謝

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